編集メモ:本記事は小中学校でよくある授業場面をもとに構成し、製品機能・公開されている教育資料・実際に実行できる指導手順と照らし合わせて確認しています。実践にあたっては各地域の教育課程と学校の方針に合わせて調整してください。架空の教員像や検証されていない効果の宣伝は行っていません。
学期の途中で初めて席替えをしたとき、新しい座席表を黒板に書き終わる前に、三人の子から「先生、それ操作してるでしょ」と言われました。反抗しているわけではありません。子どもの側から見れば、担任が黙って誰をどこに動かすか決めている図は、担任が黙って誰をどこに動かすか決めている図そのものです。席替えの本当の難しさはここにあります。無作為にすること自体は簡単で、三十五人に「無作為だった」と信じてもらうほうがはるかに難しい。
本当に公平かより、公平に見えるかが効く
仕組みとして完全に無作為でも、子どもが「仕組まれた」と疑えば何の効果もありません。結果に文句が出て、交換の交渉が始まり、次の席替えも交渉ごとになります。逆に、目の前で見える形でくじを引けば、たとえ原始的なやり方でも、ため息一つで受け入れられます。言い返す材料がないからです。
具体的には、くじは子どもの目の前で、途中で切れ目を作らずに一続きで行う必要があります。担任が手を入れられた瞬間が一つもない、という状態です。「ちょっとここだけ直すね」と口にした時点で、全体が担任の決定に戻ります。せっかくのくじが無駄になります。
前の晩に無作為に組んだ座席表を、朝、印刷して配る——これがうまくいかないのも同じ理由です。結果は同じでも、見ていた人がいません。
端末なし版:あえて手間をかけて、その場でやる
ソフトは要りません。番号を書いた棒を筒に入れて一本ずつ引き、黒板の座席図に順に書き込んでいく。あみだくじでも同じことができます。手間はかかります——三十五人の学級なら学級活動の時間から八分から十分は持っていかれ、五十分の授業の中でやるなら他に何もできません。ですが、その遅さこそが信じられる理由の一部です。
一つだけ順序を間違えないでください。座席を決まった順に進め、名前を無作為に引く。逆にしてはいけません。名前を先に引いてから席を選ぶと、決めているのがまた担任に戻ってしまいます。座席は固定順、名前はくじ、例外なし。
交換を認めるかどうかは、引く前に言ってください。引いたあとではありません。「今日は交換なし。三週間後にもう一度引きます」は、始まる前なら受け入れられ、終わったあとなら不満だけが残ります。
班替えと、いつも同じ三人組
班分けは、席替えと失敗の仕方が逆になります。席は「仲のよい子と座りたい」。班は逆で、いつも同じ固まりが一緒になり、他の子はしっかりした子と組む番が回ってこない、という不満のほうが多く出ます。生活班と学習班を別に組んでいる学級なら、この差はもっとはっきり出ます。
ワンクリックの無作為分けがこれを解決するのは、たまに出るひどい組み合わせを受け入れる覚悟がある場合だけです。四人がどうしても一緒に作業できない、という組が実際に出ることはありますし、方法の純度を守るためにそれを見なかったことにすると、一時間が丸ごと無駄になります。私の決め方はこうです。クラス全体を引き直す。しかも声に出して理由を言う——「この班は成立しないので、もう一度引きます」。全部を目の前で引き直すのは公平のままですが、一つの班だけ黙って直すのはそうではありません。
もう一つ、毎回四人にしないこともお勧めします。四人は確実に二人ずつに割れます。三人だと割れません。五人だと誰かがまとめ役を引き受けることになります。人数をいつも同じにしていると、子どもはその中で同じ役割に落ち着いてしまいます。班長をくじで決めるか、話し合いで決めるか、輪番にするかも同じ話で、いつも同じやり方だといつも同じ子が班長になります。
ランダム指名の落とし穴:「先生いつも私ばっかり」
記憶を頼りにした指名は、自分で思っているよりずっと偏っています。教師は前方中央あたりの子を多く指し、後ろの両隅を少なく指します。しかもその癖は、こちらが気づくずっと前に子どものほうが見抜いています。
目に見えるランダム指名はこの見え方の問題を直しますが、代わりに別の問題を持ち込みます。本当に無作為であれば、五分のあいだに同じ子が二回当たることがあり、当たった子は「この機械は自分を狙っている」と確信します。効くことが二つあります。一つは、始める前に「同じ人が続けて当たることもあります」と言っておくこと。続けて当たらない仕組みは、そもそも無作為ではありません。もう一つは、一問一答で回すときはその一巡のあいだ戻さずに引き、全員に一度ずつ回すこと。くり返しを許すのは自由な発問のときだけにします。
指名されると強い不安を感じる子には、はっきり例外を用意してください。当てられた瞬間に固まってしまう子にとって、ランダム指名は中立な道具ではありません。個別に「あなたは今日は名簿から外しておくね」と伝えるか、「今はパス」を意味する合図を決めておくこと。そして、その取り決めをクラスに向けて説明しないこと。支援を要する児童生徒についても同じで、対応は担任と本人のあいだにとどめます。
くじにしてはいけない場面
- 配慮が要る席が最優先。視力・聴力、身長、車いすや杖の動線、支援員がつく位置は、くじの対象ではありません。引く前に固定して、固定したと言ってください。
- 定期テストの直前の週。隣が変われば落ち着くまでに数日かかります。その数日をここで使わないでください。
- どうしても隣にしてはいけない組み合わせがあるとき。引いたあとで直すのではなく、引く前に組み合わせから外します。可能なら、片方の席を先に固定して、静かに外してください。
- テストの座席。これはそもそも無作為ではありません。別に保存しておく試験用の並びです。
例外があることを最初に口に出しておくと、くじの信用は下がるどころか上がります。「この四つの席は理由があって固定です。理由はここでは話しません。それ以外は全部くじです」のほうが、全部が対象であるかのように振る舞うより、はるかに信じてもらえます。子どもは、配慮のための固定席があること自体は、たいてい先に察しています。
引き直すのではなく、座席の型を複数持っておく
ほとんどの学級は、同じ並びを何度も使い回します。一斉指導のための普通の列、班活動のための机を寄せた形、テストのための離した形の三つです。一つの座席表しか持たずに毎回組み直していると、すでに持っていたものを作り直すために、切り替えのたびに数分ずつ使うことになります。四十五分の授業では、その数分は小さくありません。
別々の型として保存しておけば、「班活動の形にする」は組み直しではなく切り替えになります。しかも班活動用の型に、その週の初めに引いた班をそのまま残しておけます。放っておくと、子どもは慣れた席へ戻っていき、班はいつのまにか仲よしの固まりに戻ります。
SparkMyClass での席替えと班分け
SparkMyClass の授業ツールは、ここまで書いた三つを扱います。学級ごとに複数の型を保存できるドラッグ操作の座席表、その場で引き直せるワンクリックの班分け、そして動きのあるランダム指名です。
公平さの問題にとって一番大事なのは、これらがすべて教師の画面だけで動くことです。子どもは端末も要らず、ログインも要らず、何も持ってきません。くじは電子黒板に映され、全員の目の前で、一続きで終わります。番号の棒と同じ性質です。違うのは、八分ではなく五秒で済むことと、結果をそのまま保存しておけることだけです。1人1台端末が配られている学級でも、この場面ではあえて子どもの端末を開かせないほうが、教室の視線が一つの画面に集まります。
とはいえ、判断そのものが消えるわけではありません。うまくいかないと担任にはわかっている班も、ツールは平気で作ります。引き直すと決めること、そしてそれを見える形でやることは、変わらず担任の仕事です。
授業ツールを見る、あるいは綱引きクイズゲームの記事もどうぞ。端末を使わない同じ考え方を、復習の授業に当てはめたものです。
おわりに
席替えと班替えは、教室に固まった人間関係をほぐすために担任ができる、最も手軽な手段の一つです。それがうまくいかないとき、原因は無作為さそのものにはありません。子どもが信じていないだけです。人の見ている前で、一続きで引き、例外は先に名前を挙げておく。それだけで、言い争いはほとんど起きなくなります。